06/13 18:43

北中米の雄は健在だった。
強豪イタリア、前回3位クロアチアが入ったG組で、メキシコが3大会連続で決勝トーナメント進出を決めた。
勝負どころでしぶとく点を取り、しっかりボールを確保して相手にリズムを与えない試合巧者ぶりが、結果的には生きた。
昨年はW杯出場の危機を乗り切った。
北中米カリブ海最終予選の前半戦で5位と低迷し、前回優勝で出場した昨年のコンフェデレーションズカップは3戦全敗で1次リーグ敗退。
指揮官交代劇の続いた状況で、3人目のアギレ監督は、自己主張の強い個性的な選手に規律を植え付け、立て直しを図った。
監督はチームを引き締めたが、今年に入るとピッチ外で騒動が続いた。
大黒柱ブランコがメキシコ協会の待遇に不満を示し、一時は代表招集を拒否。
3月にアルゼンチン生まれのカバジェロが代表に入ると、エルナンデスは「メキシコ人の出場機会を奪っている」と非難。
不協和音に揺れた。
さらに国際Aマッチ最多出場記録保持者のDFスアレスは右足の骨折で、代表を外れる最悪の事態に陥った。
そんな中、協会が発表したW杯の移動計画予定は、なんと1次リーグ終了後、すぐに帰国することになっていた。
期待の低さの表れに、イレブンは奮起した。
「W杯代表の責任を担うことはうれしいことだ。
23人全員が同じ気持ち」とブランコ。
W杯後にスペイン1部リーグのオサスナの監督に就任するアギレ監督も会心の結果に満足そうだ。
誇り高きアステカ戦士は本番で見事に結束し、自国開催以外で初の8強入りを狙う。

記事一覧