06/13 14:47
「どちらを応援していいか難しかったけど、先日の日本-ロシア戦では実は日本を応援していたのよ」。
くり色の髪、健康的に日焼けした顔でいたずらっぽく笑うのは、国営ロシア・テレビの臨時クルーとして日本各地を取材で飛び回っているアーラ・サリニコワさん(37)だ。
アーラさんは10代前半の多感な時期を2年間、カブールで過ごした。
今は亡き父セルゲイ・サリニコフさんは、1958年旧ソ連がベスト8まで進出したW杯スウェーデン大会のソ連代表MF。
56年メルボルン五輪で金メダルを獲得、70年代前半、アフガニスタン代表監督を務めた。
「アフガン代表がイランやイラクなど周辺国のチームといい試合をした時など、一家でアフガンの王族の邸宅に招かれ、その家族とテニスをしたこともある。
楽しかった」と少女時代を振り返る。
11日に緊急ロヤ・ジルガ開会を宣言したザヒル・シャー元国王が、クーデターで追放された直後の時期だ。
その後、政変が相次ぎ、アフガンは20年以上の内戦に突入するが、アーラさん一家が滞在したころは、なお人々がスポーツを楽しんだ時代。
アーラさんの父が礎を築いたサッカーは、今アフガンの人気スポーツだ。
光学機器メーカーに勤める日本人の夫との間に小学2年生の娘が1人。
日本に住むようになって10年以上で、東京駐在のロシア人外交官らを対象にテニスのインストラクターをしている。
モスクワ大学の学生時代にはテニスで欧州選手権などにも参加した。
14日はロシアが1次リーグ突破の命運をかけたベルギー戦。
「手ごわいチーム。
恐らく引き分け」と分析している。
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