06/16 16:15
「両方とも勝って」。
W杯決勝トーナメントで18日に日本と戦うトルコは親日的な国として知られる。
トルコと深いきずなを持つ和歌山県串本町では、思わぬ対戦に戸惑いながらも、町民を挙げてのテレビ応援が計画されている。
1890年9月。
串本町・大島(当時は大島村)沖でトルコの軍艦が沈没、乗組員約580人が犠牲となった。
生存者は69人。
村民が救護活動にあたり、多数の遺体を収容し丘に埋葬した。
この丘に建つトルコ記念館の大石清館長(61)は「トルコは日本に感謝し一時、教科書にも載せたらしい。
今でもこの出来事を知っているトルコ人は多い」と説明する。
東京・赤坂のトルコ料理店で働くオーメル・エルシックさん(27)はトルコの大学で日本のことを学んだ。
「トルコ人にとって日本は距離的には遠くても、あの(和歌山の)件以来の親近感がある。
両方に勝ってほしいのだが」と複雑な気持ちだ。
両国間ではイラン・イラク戦争渦中の1985年、トルコの航空機が在留邦人を救出したり、99年に1万7000人以上が死亡したトルコ北西部大地震の際、日本が阪神大震災で使った仮設住宅を贈ったりした。
大石館長は「両国の決勝トーナメント進出はうれしいが、欲を言えば決勝で当たってほしかった。
わたしはここに眠る580人とともにトルコを応援します」と話している。
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