06/17 20:21
真っ赤に染めたモヒカン刈り。
英国の新聞でベッカム(イングランド)らと並んで異色のヘアスタイル「世界ベスト5」に選ばれたMF戸田和幸選手(24)。
「ピッチの上でより楽しくやりたいから。
赤は前から試したかった」。
試合中は涼しい顔で「悪役」を演じ、味方から敵まで怒鳴り上げる。
18日のトルコ戦にも、日本代表の「影の将軍」としてピッチに立つ。
無類のボクシング好きで、マイク・タイソンを尊敬する。
「真っ白な灰になるまで燃え尽きたい」。
不敵な笑みを浮かべ、そんなせりふを吐いたこともある。
チュニジア戦では、ペナルティーエリア内の接触プレーで倒した相手に、鬼の形相で迫った。
「あんなの全然反則じゃない。
向こうが演技で勝手に倒れただけ。
日本語でめちゃくちゃ文句を言ってやりました」怒りのパフォーマンスは、実はナイーブな面も併せ持つ自分を奮い立たせるすべでもある。
風ぼうや言動とは裏腹に、堅実で冷静なファイトを身上とする選手。
普段はもの静かで読書好きの青年だ。
ロシア戦では主審の目を盗んで相手選手のシャツをつかんで引き倒し、ピンチを未然に防いだシーンが話題を呼んだ。
「あれがマリーシア(ずる賢さ)です」。
守備に対する哲学も個性的だ。
神奈川・桐蔭学園高時代に指導した李国秀氏(45)=元V川崎(現東京V)総監督=は「彼を発掘したことでトルシエの幅が広がった。
打たれ強いタイプだし、当時から視野の広さと、10メートル四方を前後左右に動けるスピードは日本のトップレベルだった」と振り返る。
守備的MFでコンビを組む稲本潤一選手(アーセナル)が「旬の男」と騒がれても「全然気にならない」と言う。
「自分の中では自分がもう十分ヒーローですから」。
激しい気性のトルコを相手にも、真っ赤なモヒカン刈りで威嚇し、気迫の守備でピンチを防ぐ。
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