06/19 06:45
W杯決勝トーナメント1回戦で、優勝候補イタリア相手に劇的なゴールデンゴール(日本のVゴール)勝ちで準々決勝に進出した韓国。
終盤まで驚異的なスタミナで走り回る韓国選手の運動量は、イタリア選手を圧倒していた。
韓国は昨年1月のヒディンク監督就任後、戦術的な練習と並行して、体系的なフィジカル練習に取り組んだ。
特に昨年後半以降は、オランダ人のトレーナー、ベルへイエン氏とフルタイムの契約を結び、徹底したフィジカルの強化、管理に取り組んだ。
高度な技術、戦術を支えるのはあくまで体力。
ヒディンク監督のサッカー観によるものだ。
その方法は、学校体育の中で「根性」を試されるような単調なフィジカル練習に慣らされた選手には斬新なものだった。
ボールやゲーム形式を取り入れた多彩なメニュー。
きついフィジカル練習の際にも、笑い声が絶えることがない。
ときには55歳のヒディンク監督も交じり、歯を食いしばっている選手をちゃかしさえする。
こんな風景に韓国の有力新聞は「地獄の練習も笑って」と伝えた。
国際試合を控えても、負荷は軽くなることはなかった。
体の重い選手は、試合で思ったようなプレーができない。
今思えば、2分け4敗とどん底だったゴールドカップ(北中米カリブ海選手権)とウルグアイ戦をこなした1、2月の米国、南米遠征が疲労のピーク。
批判も浴びたが、ヒディンク監督は「あくまで目標はW杯」とプランを崩すことはなかった。
その一方で測定データは徹底して数値化。
W杯前の5月の合宿での測定後、同監督は「韓国のフィジカルは非常に向上した。
わたしがこれまで見たレアル・マドリード、バレンシア、オランダ代表より上かもしれない」と語った。
アジアでは屈指の体力を誇った韓国だが「走るだけ」のサッカーとやゆされもした。
ヒディンク監督を得て、その恵まれた身体能力を合理的に生かすすべをつかんだといえる。
(大田、共同)
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