06/19 06:45

サッカーのワールドカップ(W杯)で韓国に夢のベスト8入りの快挙をもたらしたオランダ人のヒディンク監督の人気が急上昇している。
韓国政府が名誉国籍付与を本格的に検討、経営学の名誉博士号授与を本気で考えている大学も登場。
政党を結成し党首に収まるという話まで流れ「ぜひ大統領に」との声も。
本人の意思とはまったく無関係に「ヒディンク・フィーバー」はとどまるところを知らぬ勢いだ。
2000年6月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との南北首脳会談後、金正日総書記が人気者になり、ファッションや語り口が韓国で大ブームを巻き起こしたが、今回はそれ以上のはしゃぎぶり。
「熱しやすく冷めやすい」国民性を知ってか、監督自身は極めて冷静だが、周囲は燃えて手が付けられないほどだ。
次の22日の準々決勝の対スペイン戦は光州W杯競技場で行われる。
通信社の聯合ニュースによると、地元での韓国戦を勝利で飾りたい光州市は「もし光州で勝ち、ベスト4に入れば、市内の大通りをヒディンク路(通り)と命名する」ことを積極検討中。
CM業界も虎視眈々(たんたん)だ。
韓国のテレビCMで最高のギャラを取るのは大リーグ投手の朴賛浩の8億ウォン(約8000万円)。
韓国紙の大韓毎日は「ヒディンク監督はこの記録を破る見通し」と報じた。
書店では、監督の戦略に経営の原則や指導力を学ぼうというビジネス本の売れ行きが好調。
一流経済紙や雑誌が大まじめな特集記事を連発し、西江大が名誉経営学博士号の授与を検討と報じられても「なるほど」とうなずく韓国人がほとんどだ。
政府が名誉国籍の授与を積極検討していると表明したのは、インターネット上で監督の韓国への「帰化」を望む声が広がり、勢いに押されたからだ。
「帰化」は韓国人にとって「同胞」と認めることを意味し「感謝を示すにはこれしかない」というわけだ。
ネットでは既に、国民証明書ともいえる監督の顔写真付きの「住民登録証」が流れ、名前も「喜東丘(ヒ・トング)」となっており、発行日はW杯開会式の5月31日だ。
さらにネットでは、韓国がベスト4に進めばW杯韓国組織委員会(KOWOC)会長の鄭夢準議員と「サッカー党」を結成。
鄭議員が大統領選に出馬し、監督は党首に収まるという「予測」も流れ、若者の人気を集めている。
(ソウル共同)
記事一覧