06/19 06:47
「国民に夢を与えている夫を誇りに思う」--。
ワールドカップ(W杯)で韓国がベスト8入りを決めた18日夜の韓国・大田W杯競技場。
世界が驚いた現場のスタンドに、韓国チームの大黒柱で主将の洪明甫選手(33)を陰で支えてきた妻の趙秀美さん(28)の姿があった。
W杯が始まってからは意識的に顔を合わせていない。
洪選手がサッカーに集中するためだ。
「家族よりW杯優先だけど、プロの選手としては当然のこと。
納得してます」と趙さん。
毎日の電話での話題は体の状態や4歳と1歳の息子のこと。
サッカーのことは話さない。
これまですべての韓国戦を息子や米国在住の両親らと観戦してきた。
ベスト4をかけた22日の光州での対スペイン戦にも応援に駆け付ける。
願いは「後悔しないよう、全力で頑張ってほしい」。
1997年3月に結婚。
その3カ月後、洪選手のJリーグのベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)への移籍に伴い訪日した。
日本では多くの人が支えてくれた。
生活に不便はなかったが、負傷に泣かされた洪選手と一緒に悩んだ時期もあった。
「お互い言葉が多い方ではないんですが、心の中では分かり合っています」帰国後、不屈の闘志でけがを乗り越え、躍進を遂げた韓国代表の精神的支柱となった洪選手。
趙さんは「後輩に素晴らしいサッカーができる機会を与えたい」とそっと話す夫を、尊敬しているという。
洪選手にとっては4回目で、最後のW杯だ。
「W杯が終われば、もう少し気楽にサッカーに取り組んでほしい」。
趙さんは心の中でそう祈っている。
(大田、共同)
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