06/20 06:54
【ニューヨーク19日共同】「米サッカー界にとって大いなるステップ」(USAトゥデー)、「新たな歴史の始まり」(ニューヨーク・タイムズ)--。
18日付の米各紙は、ワールドカップ(W杯)で米国がメキシコを下しベスト8入りを決めた「歴史的勝利」を1面に写真付きで紹介。
「サッカー不毛の地」も自国チームが勝ち進むにつれ、本来の強烈な愛国心が頭をもたげ始めた。
「米国民が朝、目を覚まして、われわれの試合を見てくれるとは信じられない。
10年前、1万人の前でゲームをしていた米国チームは今、W杯の準々決勝に進出したのだ」。
USAトゥデーはレイナ主将の喜びの声を紹介、このコメントは米国人の愛国心をくすぐった。
とりわけ注目されたのが、ブッシュ大統領がアリーナ監督との電話で「私のように多くの米国人はサッカーのことを何も知らない」としながらも「米国は代表チームを誇りにしている」と激励したことだ。
大統領が「誇り」を口にすれば、その対象は「ヒーロー」に生まれ変わる。
それが、昨年9月の米中枢同時テロ以来、現在も続く米国の“空気"なのだ。
次の対戦相手は、かつて「皇帝」ベッケンバウアーが率いて数々の離れ業を見せつけてきたドイツ。
アリーナ監督自身「理論的には勝てる相手ではないが、ゲームは理論ではない」と意欲満々で、韓国が強豪イタリアにまさかの逆転勝利を果たしたことも米国には追い風になりそうだ。
米のスポーツ専門ケーブル局ESPNは、米東部時間21日午前7時半から対ドイツ戦が中継されると大々的に宣伝。
主要各紙やネットワーク局もインターネットで刻々、情報を伝える準備を進めており、21日には米各地で星条旗が翻り「USA」コールがこだましそうだ。
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