06/21 18:02

W杯決勝トーナメント1回戦。
早々と1点を挙げたイタリアの大砲ビエリが時間とともに、いらいらを募らせていくのが分かった。
韓国のDF金泰映が持ち前の敏しょう性と、粘り強いマークで、いい形でボールを持たせない。
腹立ちまぎれに振ったビエリのひじが顔面に入り、鼻骨を骨折したが、そのまま世界屈指の大砲を抑え続けた。
「鼻が折れたぐらいで走れなくなることはない」人に強く、気持ちで負けない韓国の伝統的な守備選手の系譜に連なる31歳のベテラン。
地元、光州で行われるスペインとの準々決勝では、急きょ取り寄せた黒と赤の顔面プロテクターを装着してピッチに立つ。
1992年に初代表。
前回フランス大会にも出場したが、洪明甫(元柏)らの陰で注目を浴びることはなかった。
釜山の東亜大卒業後は、プロに進まず実業団の国民銀行に入社。
銀行業務も経験した苦労人だ。
ヒディンク監督の信頼は厚い。
昨年1月の就任以来、守備ラインの一角に座り続ける。
チームの精神的支柱、洪明甫がけがで長期代表を離脱した間は、キャプテンマークを託された。
韓国の快進撃を後方で支えるベテランに高い評価を与えたのは、国内よりむしろ海外メディア。
ロイター通信の選ぶ1次リーグのベストメンバーに世界のそうそうたる選手とともに選出された。
大会前「もう年だし、チャンスは逃したくない。
一度は海外でプレーしたい」と語っていた。
全世界の注目を浴びるスペイン戦。
その不屈の闘志でラウルを抑えれば、さらにその株は上がる。
(光州、共同)
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