06/22 09:30

米国の快進撃はベスト8で止まったが、大きな収穫も得た。
ドノバンら20代前半の若手が活躍し、今後に期待を抱かせたことだ。
決勝トーナメント1回戦のメキシコ戦。
レイナのドリブルの折り返しを、ゴール前でFWマクブライドにつないだのが25歳のウルフ。
2点目は20歳のドノバン。
同じ20歳のビーズリーは、1次リーグ初戦のポルトガル戦で攻守にいい働きを見せた。
1994年のW杯米国大会後にスタートした若手育成プログラムに「プロジェクト40」がある。
ユースレベルの有望選手にプロサッカーMLSチームと練習する機会を与え、年間40試合を経験させる。
今大会の代表に入ったドノバン、ビーズリー、ウルフはこのプロジェクトの「卒業生」だ。
五輪代表強化を兼ねた同プロジェクトは、将来の代表チームの主力を生み出すことも目指している。
ドノバンらの活躍は早速、有効性を示したわけだが、このプログラムは年間10人程度しか対象としない規模の小さなものだ。
欧州の1クラブの持つユースチームにも満たない。
すそ野を広げる作業は、急務だ。
アリーナ監督も「若手の育成が米国の課題」と指摘している。
今回の8強進出を契機に、米国サッカーのシステム的な強化策拡大が期待される。
W杯での快進撃は、競技普及には間違いなく貢献した。
米スポーツ専門テレビ局の決勝トーナメントの視聴者は、1次リーグ平均の3倍に当たる300万人に達したという。
選手の知名度も確実に上がった。
ドノバンは「サッカーに関心のなかった国民の目を引きつけることができた」と胸を張った。
(蔚山、共同)
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