06/24 07:03

ワールドカップ(W杯)で「奇跡」のベスト4進出を成し遂げた韓国では黙々と戦う選手をよそに、周囲の熱気がエスカレートする一方だ。
ヒディンク監督に対するフィーバーぶりはもちろん、勲章授与に銅像建立、臨時公休日。
30日に横浜で行われる決勝のためのチャーター機提供をめぐり、航空会社が早くも火花を散らし始めた。
その「W杯狂騒曲」の実態は…。
W杯を「国家イメージ向上の絶好の機会」と位置付ける政府にとって、アジア初のベスト4は夢のような快挙。
息子2人の逮捕など、最近いいところなしの金大中大統領も「国運隆盛の道が開かれた」と手放しの喜びようだ。
政府はヒディンク監督や選手、サポーター代表らに勲章、表彰の授与を真剣に検討し始めた。
人気にあやかろうという動きは広がるばかり。
選手らの名前を部屋に付け「無料で宿泊を」というホテルも続出。
準決勝進出を決めた光州で韓国代表チームの宿舎となったホテルは名称を「ホテル・ヒディンク・コンチネンタル」に変えることを決め、済州島の南済州郡などが監督の銅像建立を決めた。
韓国サッカー協会には、選手や監督を対象に「奨学金の名称にぜひ名前を使わせて」「わが社の一日会長になって広報役を」といった打診が殺到。
「もう決勝進出は間違いない」と考えたアシアナ航空は横浜での決勝戦に備え、選手や監督の日本行きのチャーター機を無料提供すると早々と表明した。
ところが、これにW杯の韓国内スポンサーである大韓航空が「とんでもない」と猛反発、対立が深刻化している。
世界が注目するビッグイベントで母国代表選手を運ぶ栄誉を担うことは航空会社にとって最高のイメージアップ。
アシアナに機先を制された格好の大韓航空は「W杯スポンサーでないアシアナが、W杯にかかわる仕事をすることはできないはず」とかんかんだ。
韓国の連勝が続き、誰も仕事や勉強が手につかない状態も続いている。
慶尚南道では「テレビで代表を応援したい」という生徒の声に抗しきれず、一部の中学で期末試験を7月1日に延期した。
小中学校が韓国戦の日に「臨時休校」となるのは、もはや当たり前。
平日の韓国戦で大量の欠勤者が出るのを恐れた企業は「テレビ観戦OK」を公認しているところが多く、公務員も完全に黙認状態という。
(ソウル共同)
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