06/24 15:17
韓国・済州島の「パラダイス・ホテル」は同島南部西帰浦の海岸沿いにある。
色彩豊かな花畑をバックに立つ木造の門は、南の島の情緒が漂い、「楽園」の名にぴったりだ。
ふだんはハネムーンカップルでいっぱいの、のんびりした雰囲気が漂う。
それが、にわかにピリピリムードに包まれた。
ドイツ・チームに起きたある事件がきっかけだった。
15日のパラグアイ戦の前夜、5得点で得点王争いのトップに立っていたクローゼが、不審な電話に悩まされた。
なまりのある英語で、新聞記者と称する男が、繰り返し未明まで電話してきた。
ドイツは2-0で勝ったが、寝付けなかったクローゼは精彩を欠いた。
代表チーム関係者は、電話の主はパラグアイの熱狂的なサポーターではないかと疑い、すぐに警備を強めるよう大会関係者に要望した。
当初は2、3人だった警察官は十数人になり、門の前で人や車の往来に目を光らせる事態になった。
22日に韓国がスペインを破って、準決勝進出を決めると、韓国のメディアは次の対戦相手ドイツに取材の狙いを切り替え、報道陣を大挙送り込んだ。
この突撃取材は、厳重な警備に次々に“門前払い"された。
新婚旅行のメッカは、一転して緊迫感に包まれた。
ホテル従業員は「ここはいつもは笑顔と笑い顔が絶えないのに。
神経がすり減ってしまう」と困惑顔だった。
(西帰浦、共同)
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