06/24 07:07
開幕戦でフランスを破りアフリカ勢として1990年大会のカメルーン以来の8強となった初出場セネガルは新鮮な驚きだった。
準々決勝でトルコに敗れ4強の快挙は逃したが、メツ監督は「チーム精神と一体感でここまでこれた。
誇りに思う」と言った。
快進撃を支えたのはフランス人のブルーノ・メツ監督(48)特有のアプローチだった。
発想の転換。
メツ監督のやり方はそれまでアフリカチームの監督と大きく異なる。
「欧州人は欧州の価値観を持ち込もうとするが、わたしは自分の方がアフリカのメンタリティーに入っていった」成績が悪いとすぐ監督の首を切る。
こうしたアフリカ・サッカー界の弊害は、雇われ白人監督と協会の信頼の欠如が原因。
しかし、同監督は協会のバックアップを得て1年半の“長期政権"を敷いた。
選手もメツ監督を信頼している。
大会直前、セネガルでの合宿を取材した欧州人記者は面食らった。
海水浴、テニス、ばか騒ぎ…。
「これは合宿なのかバカンスなのか?」「即興性は彼らの人生や生活の一部。
彼らといるときは友達の感覚で付き合っている」とメツ監督。
セネガル人のボカンデ・コーチは「合宿最終日には別れを悲しんで泣くやつもいる。
われわれは本当の家族みたい。
自分もこんなチームは初めて」と驚く。
金にならない代表の試合に興味を示さない選手を一人ひとり訪ね説得。
彼らの気持ちを理解し、結果を出しながら固いきずなをつくり上げる。
メツ監督のやり方は誰もがまねできることではないが、アフリカ・サッカーに対する新しいアプローチを示した。
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