06/26 08:17
フェラー監督がこぼれんばかりの笑顔で選手一人ひとりの労をねぎらうように抱きしめた。
鉄壁の守りで韓国の勢いを完全に止めた誇りだろう。
1-0。
今のドイツの力からすると、理想に近い思惑通りの展開に違いない。
バラックの挙げた1点を守護神、カーンを中心にフィジカルの強さと高さを武器に守り切った。
1991年に統一ドイツチームになって初めての決勝進出。
冷戦終結を象徴するベルリンの壁が崩れ、ドイツが生まれ変わって11年余りになる。
ベッケンバウアー、ミュラー、ルンメニゲらに象徴される力強く、攻撃的なドイツのサッカーは、ここ数年、影を潜めたままだ。
フェラー監督は、現実的な戦いを選んでいる。
「1点」を取り、それを守る。
攻撃では、米国戦で見せた、FKの際に大型選手をゴール前にきれいに並べる戦法が象徴的だ。
ボールの落下地点の延長線上3メートルに3人のドイツ選手がいた。
どこに落ちてもヘディングを狙える。
得点機としてのセットプレーを重視する。
守っては、韓国戦でのMFを下げての5バック。
あくまで手堅い。
決勝トーナメントに入って3試合連続「1-0」は、哲学すら感じさせる。
見る者に、面白さを感じさせることはない。
新時代のドイツのサッカーは、カーンを軸に、難攻不落の「壁」を築きあげた。
(ソウル共同)
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