06/27 06:43

ブラジルのサッカーについて、しばしば「美しく勝つことを義務付けられている」と語られる。
トルコとの準決勝では、1点を守り切ろうという意図がはっきり見えた。
そこに「美」があったのか。
試合後の取材で、ブラジル人記者はさぞや不満げにしているだろうと思っていたが、意外にも肯定的な感想が並んだ。
ブラジルの有力スポーツ紙「ランセ」のアルバロ・オリベイラ記者は「一番大事なのは勝利。
だから、この試合には満足」とあっさり予想を裏切った。
さらに同記者は「この試合は結果を求めたため、伝統的なブラジルサッカーの美しさはなかった。
でも常に結果が求められるクラブレベルでは当たり前のことだ」と続けた。
また日本でポルトガル語紙「TUDO・BEM」を発行するジャパン・ブラジル・コミュニケーションのフェルナンド・デバロス記者は「ブラジルは終盤の勝負どころで点を取りに行かなかっただけ。
リスクを冒して点を取ることはできただろうが、逆転されたり、警告を受けたりすれば決勝に影響が及ぶ。
代表は現実的に勝利を確保したんだ」と戦いぶりを評価した。
2人ともジーコ、ファルカンら「黄金のカルテット」を擁し、高い評価を受けながらイタリアに敗れた1982年スペイン大会の代表を引き合いに出し「美しい試合で勝てれば最高だが、負けては何にもならない。
内容が悪くても勝てば問題ない」と話した。
サッカーが「宗教」ともいえるブラジル人といえども、W杯では優勝こそが何より優先されるということの証明のようだ。

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