06/28 20:26
ブラジルの中盤で、地味ながら欠かせない働きをする守備的MFがいる。
ジウベルトシウバは粘り強いマークと豊富な運動量で相手の攻撃の芽を摘んでいる。
25歳。
国内リーグでのプレーぶりがスコラリ監督に認められ、代表にデビューした。
世界的にはまったくの無名。
W杯開幕前には主将を務めていたエメルソンの控えと考えられていた。
ところが開幕直前に、エメルソンが肩の脱臼で離脱し出番が回ってきた。
「いつでも出られるように準備はしていたが、信じられなかった」と、突然訪れたチャンスに驚きながらの世界デビューだった。
しかしここから彼の才能は大きく花開く。
ここまでの6試合にフル出場し、スコラリ監督も手放しで称賛する。
「堅実なプレーで、今大会のMVP級の働きをしてくれた。
まるでドゥンガのようだ」。
1994年、98年大会の主将になぞらえるほど。
本人は「ドゥンガのような、ブラジルサッカー史に残る選手と比較されてうれしい」と照れながら小さい声で話す。
その姿はまだ初々しささえ感じさせる。
1カ月前「代表に選ばれるのはすべての選手の夢」と語っていた青年が決勝の舞台へ。
「素晴らしい試合をして、最高の結果を残したい」と語る。
シンデレラストーリーの結末は、自らのプレーで、最高のものにするつもりだ。
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