06/29 23:17

【ソウル29日共同】「祝祭ムードがぶちこわしだ」と怒る韓国人サポーター。
韓国の応援に来た日本人観光客は「何だか怖い」と不安げ。
29日、サッカーのワールドカップ(W杯)3位決定戦が行われた韓国に突然降ってわいた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)警備艇との銃撃戦。
W杯が南北の友好ムード醸成にも一役買っていただけに、街頭観戦の市民も北朝鮮の行動に怒りと戸惑いを隠せない様子だった。
「南北和解への願いが伝わったと喜んでいたのに」。
応援団「レッドデビルズ」の男性メンバーは困惑した表情で話す。
北朝鮮との分散開催こそ実現しなかったが、対イタリア戦のスタンドで「AGAIN1966」という人文字を応援団が披露、朝鮮中央テレビが録画放送で韓国に好意的な解説をする「エールの交換」ができたからだ。
人文字は1966年のW杯で北朝鮮がイタリアを破りベスト8に進んだドラマの再現を願うメッセージ。
「トルコに負けたことよりショック」という。
韓国はこの日も全国で約214万人が街頭応援に繰り出した。
ソウルの男子大学生、朴洪九さん(24)は「どうして韓国の試合がある日に挑発行為に出たのか理解できない。
裏切られた気持ちだ」と興奮した口調。
「どんな意図があるのか」といぶかる中年男性や「戦争になったらどうしよう」と心配する若い女性も。
ソウルの市庁前は真っ赤に染まったが、人出は当初予想の半分の約50万人。
テレビ中継されたイベントで司会者が銃撃戦に「動揺しないで」と呼び掛けた。
熱気に冷や水を掛ける事態にトルコ戦の敗戦も重なり、やや白け顔の若者もいた。
北東部の束草港では北朝鮮の金剛山観光から戻った韓国人たちが「知らなかった」とびっくりした様子。
旅客船は30日も予定通り金剛山に向かう予定。
今回のW杯は昨年の米中枢同時テロ以降、最大規模のスポーツイベント。
テロ対策が最大の関心事となったが、南北首脳会談以後の緊張緩和の雰囲気の中で、警備当局者も「北側のテロや軍事行動の可能性は低いと見ていたのにまさか」と驚いていた。

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