06/30 19:18

韓国がワールドカップ(W杯)でベスト4まで勝ち残ったことで、韓国組織委員会会長の鄭夢準氏は代表チームを引き連れ、全国主要都市を転戦、ソウルに凱旋(がいせん)したことになる。
「W杯大成功」を土産に、年末の大統領選に出馬表明するとの見方が強い鄭氏にとって、ベスト4は全国民に成果を誇示する最高の「選挙運動」だったといえそうだ。
しかし、韓国チーム快進撃の裏で、鄭氏が出馬母体にする可能性があるとみられていた与党の新千年民主党(民主党)が統一地方選で惨敗、分裂説も出てガタガタになった。
ここに新党結成の行方も絡み、鄭氏はW杯後の身の振り方が最も注目される1人となっている。
鄭氏は韓国の大手財閥、現代グループの創業者、故鄭周永氏の六男。
国際サッカー連盟(FIFA)副会長、韓国サッカー協会会長を務める無所属国会議員。
各地での韓国戦後には、必ずピッチでヒディンク監督らと抱き合い、存在感を観衆にアピールした。
鄭氏は中国戦を韓国で行えるよう事前に手を回しただけに、政界には「韓国戦の会場選びには意味がある」とのうわさもある。
初戦は野党ハンナラ党の勢力下にある韓国第2の都市、釜山。
現代グループの企業城下町、蔚山からも近い。
昨年12月の組み合わせ抽選会に続き、歴史的なW杯初勝利でくさびを打ったとの見方もできる。
第2戦も同党の拠点、大邱。
小学校の同級生で、大統領選に向け連携を模索する故朴正煕大統領の長女で新党「韓国未来連合」代表の朴槿恵議員の地盤。
決勝トーナメント進出を決めた仁川は首都圏の大都市。
ベスト8入りを決めた大田は忠清道地域の中心都市で、選挙の重要ポイント。
この地域の票がキャスチングボートを握ることが多い。
ベスト4入りを決めた光州は民主党の牙城。
仮に新党を結成するとしても、民主党の一部勢力との連携が不可欠な鄭氏にとって、ぜひとも攻略の必要がある所。
準決勝のソウルは全人口の約4分の1が集中する全国1の大票田だ。
(ソウル共同)
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