06/30 16:08

4年間を本大会への準備に集中した今回とは違い、次回はアジア予選という難関がある。
今回、大躍進で自信を深めたライバル韓国をはじめ、惨敗の中国や中東勢の巻き返しも必至で、アジアの出場枠も確定していない。
目標の1次リーグ突破を果たした日本も着実にレベルアップしているとはいえ、決して楽な戦いにはならない。
2006年ドイツ大会へ向けた日本代表は、今回出場した20代前半から半ばの主力が、さらに国際経験を重ね成長し、チームとしての成熟度を増すはずだ。
今大会でリーダー的な役割を果たした中田英(パルマ)は25歳。
いち早く欧州へ飛び出した彼の実績は、予選のあるドイツ大会にも大きな支えとなる。
攻撃的な持ち味を出して2点を挙げた稲本、オランダで存在感を高めた小野(フェイエノールト)の22歳コンビも、中田英に続く存在としてチームの中軸を形成していくだろう。
この3人に加え、小笠原や中田浩(ともに鹿島)の1999年世界ユース選手権準優勝メンバー、さらに市川(清水)明神(柏)戸田(清水)三都主(清水)松田(横浜M)と人材には事欠かない。
20代半ばから後半となる彼らも、国内外でさらに実績を積み、技量を磨いていく。
GKは、ともに26歳の川口(ポーツマス)楢崎(名古屋)が円熟味を増すだろうし、若い曽ケ端(鹿島)も成長が期待される。
誰が中心であれ、信頼度は今回以上に高くなる。
問題は、充実している中盤に比べ、日本の弱みともいえるFWの層の薄さだ。
直前で突発的な病に見舞われた高原(磐田)はまだ23歳。
次回にはFWの柱として雪辱が期待されるが、今回のトルコ戦で鈴木、柳沢の鹿島コンビが突然、先発から外れたように、全面的に信頼されているFWはいない。
エースストライカーは、いわばチームの顔だけに、早急に人材発掘と育成が必要になる。
日本選手は今後、積極的に欧州に進出するだろう。
個人の力を高める上では有効でも、常に代表チームに全員集合とならないケースも想定され、チーム力全体のアップにつながらない危険性もはらむ。
個々の経験値をどのように組織へなじませ、成熟度を深めるか。
日本協会の継続的な支援と新監督の手腕に託されることになる。

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