06/30 23:34

ヒーロー、ロナウド選手は試合が終わる前から感極まっていた。
主審コリーナさんの笛が3度響きわたり、ブラジルが21世紀初のサッカー世界一に輝いた。
国旗をまとい、走りだす選手たち。
「ブラジル」の大合唱が横浜の夜空にこだまする。
30日夜、「夢のような1カ月」が幕を閉じた。
勝負を決めたロナウド選手のシュート。
前回大会の後、ひざの靱帯(じんたい)断裂で選手生命も絶望視された。
噴き出す汗をぬぐいもせず「わたしと一緒に頑張ってくれた家族に(勝利を)ささげたい。
ここに戻ってこれてうれしい」と万感の思いだ。
肩車をされて叫ぶロナウジーニョ選手。
GKマルコス選手はゴールで1人喜びをかみしめる。
スタンドの7割を占めるブラジルサポーターは「ウォー」と総立ち。
W杯観戦10回目という熱烈ファン、イボン・カンポスさん(64)は、はげ頭にブラジルの国旗を描く。
「これまでの人生でこんなにうれしいことはなかった。
代表はブラジルの誇りだ」と目に涙を浮かべた。
ダニエラ・アンジェリさん(28)は「信じられない。
ロナウド愛している」と絶叫。
「フランス大会で体調不良になって、けがもして、よく復活してくれた。
ブラジル人に生まれて幸せ」と感激の面持ちだ。
反対側のゴールでは、ドイツの守護神カーン選手がポストにもたれかかり動かない。
悔しさをじっとこらえている。
ロナウドとカーン。
攻守のスターは再三、1対1で向き合った。
「あんなのまで止めるのか」とブラジルサポーターからも称賛の声。
その度に黒と赤、黄の三色旗が元気を取り戻したように翻った。
シドニー在住のドイツ人、ビンクリート・マイヤーさんは「カーンがここまで引っ張ってきたんだよ」とたたえる。
「暴力もなく、会場もきれいで素晴らしい大会だった。
2006年のドイツ大会も見習いたい」と語った。

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