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欧州の強豪を苦しめてきた韓国の「12人目の選手」、スタンドを真っ赤に染めたサポーターはあぜんとするしかなかった。
試合開始のホイッスル直後、トルコが素晴らしい集中力をみせた。
11秒、相手守備ラインでの横パスの乱れをイルハンが見逃さず、守備の要、洪明甫の足元のボールに突っかかる。
こぼれ球に反応したのは不調のエース、ハカンシュキュルだ。
過去6試合、何度となく決定機を逃した「ボスポラスの灯台」がW杯史上最短ゴールに、ほえる。
30歳の英雄は、代表初ゴールを決めた若者のように、チームメートにもみくちゃにされた。
足の付け根を痛め、精彩を欠いていた。
準々決勝のセネガル戦では、小学生でもしないようなゴール前のトラップミスで、決定機を逃す。
先発から外すべきだ、とのメディアの批判の中、過去35得点の貢献度を知るギュネシ監督の起用に、最後で応えた。
したたかなトルコらしさは、前半9分に同点とされた後も続く。
攻撃的な流れを加速させた韓国に対して、4分後、バストゥルクの縦突破から、イルハン-ハカンシュキュルと渡り、そしてイルハンに戻して勝ち越す。
前半32分にはGKの大きなキックから、再び前線の2人で3点目を奪い取った。
相手の守備意識の低下を見逃さなかった。
最後の最後に大きな責任を果たしたハカンシュキュルは、晴れやかな顔だった。
「いい試合もあったし、悪い試合もあった。
トルコ市民はわたしを支持し、仲間には悪いときも励まされた」と、周囲に感謝しながら、歴史的な勝利の喜びをかみしめた。
決勝トーナメント1回戦で日本、そしてこの日の韓国と、いずれも敵地で共催国の2チームを破った。
試合終了の笛を聞くと、ハカンシュキュルは自ら韓国選手に駆け寄って、健闘をたたえた。
トルコの主将の優しいジェスチャーに、両国の選手が一緒に肩を組んでスタンドの声援に感謝した。
欧州の強豪にもまれ、力を伸ばしてきた新興国は、すがすがしく偉業を祝った。
(大邱、共同)
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