07/22 20:12
日本代表のジーコ新監督が、契約書にサインした。
いよいよ「ジーコ・ジャパン」がスタートする。
ブラジル代表としてワールドカップ(W杯)に3度出場した名選手。
Jリーグでは鹿島を、総監督として日本の代表的クラブに育てた。
「サッカーに対する情熱、経験、知識に見識、ありとあらゆるものをとっても右に出る者はいないほどの人物」(川淵会長)への期待は膨らむ。
もっとも、協会技術委員会の次期監督候補リストにジーコ氏の名前はなかった。
6月中に、次期会長が確実だった川淵氏(当時副会長)が候補に推しての決定で、ある技術委員は「本当にこれでいいのか」と複雑な表情だ。
一方、ジーコ監督誕生の背景には、鹿島にとっても「渡りに船」という事情もあったようだ。
鹿島は創設10年で累積赤字が30億円近くまで膨らんだが、昨年度はこれを約17億3000万円に削減。
次に手を着けたかったのが、1億5000万円ともいわれるジーコ氏の総監督年俸だったと解説する関係者もいる。
ただ、日本協会のある幹部が首をひねるのは、川淵会長が次の2006年ワールドカップ(W杯)の目標を「ベスト16」とトーンダウンし始めた姿勢だ。
確かに、4年後のW杯は地元開催の有利さは全くないが、ベスト16を達成した次の大会はベスト8を目指すというのは、日本協会が「強化指導指針」にもうたっている。
「ベスト8という言葉が出てこないなんて弱気だ」と不満げな協会幹部もいる。
現実的なのか予防線を張っているのか。
推定2億円の年俸はふさわしいのか。
ジーコ氏が最高の適任者なのか。
監督としての手腕が未知数なうえに、剛腕で鳴らす川淵会長の手法もあいまって、懐疑の声も聞こえてくる。
すべては結果が答えとなる。
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