08/28 15:18

感無量だった。
シンクロのチーム後半FRを終えた日本の選手たちは、晴れ晴れとしていた。
「ほっとしている。
コーチに認められたのが一番うれしい」とエース立花。
ロシアに1点の大差を付けられたが、力を出し切った「サムライ娘」にはこれ以上ない銀メダルだった。
「サムライinアテネ」の曲に乗り、メダルを懸けて戦う武士に変身した。
刀を抜くポーズから、プールに飛び込む。
迫力ある重低音、和太鼓のリズムに合わせ、4分10秒間、8人は一つになった。
それぞれの思いを胸に泳ぎ切った。
アトランタから3大会連続五輪の立花と武田は、今季限りで引退を決めている。
「満足している」。
武田の顔は充実感でいっぱいだ。
原田、藤丸、鈴木、北尾とこの日は控えに回った川嶋は初の五輪。
酷評していた井村ヘッドコーチも「わたしが何を求めているか感じ始めた」と成長ぶりを認めた。
米田とともに2度目の出場で、ベテランと若手の橋渡し役の巽は「きょうまでいろんなことがあったけど、全部出し切った」と笑った。
悲願の「金」には届かなかったが、2大会連続の銀で日本の力をアピールした。
打倒ロシアに何が必要かを問われた井村ヘッドコーチは「立花と武田のレベルが8人いたらいける」。
北京五輪へ向け、日本シンクロの新たな戦いが待っている。

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