08/29 04:29

普段からしのぎを削る南米勢同士の意地がぶつかり合った決勝。
その大舞台でも主役はアルゼンチンの若きエース、テベスだった。
前半18分、厳しいマークをかいくぐって決勝ゴールを挙げ、母国に初の五輪金メダルをもたらした。
キックオフ直後から屈強なパラグアイDF陣のマークが集中。
反則覚悟のタックルやチャージに何度も転がされた。
才能ある攻撃の選手が必ず乗り越えなくてはいけない壁だ。
その洗礼を賢く受け流した。
マークが厳しいとみるや、前線でダイレクトでボールをさばき、姿をくらます。
そして再び、こつぜんとゴール前に現れる。
決勝点の場面もそうだった。
右サイドを駆け上がったロサレスがセンタリングをけったとき、相手守備陣は完全に見失っていた。
DF2人の間を抜け、近いサイドに走り込むと、ダイレクトでけり込んだ。
アテネの青い空に両腕を広げ、笑顔で喜びを表した。
通算8得点は五輪が年齢制限つきの大会になった1992年バルセロナ大会以降、最多得点だ。
ブエノスアイレスの貧民街に生まれた小柄な20歳は、アテネからスーパースターへの道を歩み始めた。

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