「民族の夢、やっと実現」 天安門広場、市民は遠巻き
【北京6日共同】「中華民族の夢が実現した」「改革・開放の偉大な成功だ」。中国が国の威信をかけて取り組んできた五輪聖火リレーの最後の日程が6日午前、北京市中心部の故宮南側からスタートした。
コースとなった天安門広場では動員された職場や地域サークルの数千人が「がんばれ中国」の声援とともに聖火を迎えたが、厳戒態勢の中、一般市民は広場外側の道路沿いに追いやられ「しらける」との声も聞かれた。
歓迎行事のため広場で聖火を待っていた劉嘉平さん(64)は「中華民族の長年の夢がやっと実現する。本当に感動している」と興奮した様子。第1走者となった中国初の宇宙飛行士、楊利偉さんは走り終わった後「聖火リレーは中華民族精神と改革・開放政策の偉大な成功を表している。走者になれて、うれしい」と笑顔で話した。
リレーのスタート地点は、四方を朱色の高い壁で囲まれた故宮の午門前広場。赤や黄色のおそろいの衣装を身に着けた学生ら数百人が踊りとパフォーマンスで出発を祝った。テロ警戒のため一般市民の立ち入りが禁止される中、へそ出しルックのチアガールや着ぐるみのマスコット人形が大音響の音楽に合わせて踊り回り、報道陣を相手にしきりに手を振った。
トーチを掲げ笑顔で走るランナーの周囲は、白と青のスポーツウエア姿の屈強な“聖火防衛隊"数十人が並走。沿道には制服警官が5-10メートル間隔で配置された。
市内は早朝から天安門広場に通じる道路を中心に交通が規制され、メーンストリートの長安街に沿って走る地下鉄の駅も広場付近は一時封鎖。政府系機関に勤める男性職員(35)は「テロ防止でやむを得ないとはいえ、規制が厳しすぎる。しらけている市民も実は多い」と打ち明けた。
08月06日(水)12:34
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