史上最大の五輪外交 80カ国以上の首脳級集結
8日の北京五輪開会式には、参加205カ国・地域のうち80カ国以上の元首、首脳、王室関係者らが参加する。五輪組織委員会によると、過去に例のない人数で、中国の存在感が高まるばかりの国際社会の現実を投影している。アスリートたちの祭典が華やかな幕開けを迎える国家体育場(愛称・鳥の巣)の貴賓席などで、核問題やミサイル防衛(MD)、資源開発、2国間関係の修復をめぐり史上最大の五輪外交が展開される見通しだ。

▽米朝接触?

歴代米大統領のうち、米国外で開かれる五輪の開会式に自ら乗り込むのはブッシュ大統領が初めて。

8日の開会式に出席した後、10日に胡錦濤・中国国家主席と会談する。ロシアのインタファクス通信によると、同国のプーチン首相とも開会式前に短時間会い、東欧でのMD計画やグルジア情勢など微妙な問題を話し合う可能性がある。

注目されるのは、開会式に参加する北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長との接触があるかどうかだ。

北朝鮮は6カ国協議を通じ対米関係改善を狙っており、ブッシュ大統領と儀礼的なあいさつであれ、機会をうかがっている可能性がある。実現すれば米朝間で過去最高位の接触となる。

ただ、ブッシュ大統領は6日、ソウルの演説で北朝鮮は依然「悪の枢軸」にとどまっているとの認識を示し、不信感をあらわにした。たとえ接触が実現しても「あいさつ」以上の意見交換は見込み薄だ。

▽とんぼ返り

金委員長との会談を目指しているのが8-9日に訪中する韓国の李明博大統領。南北対話の再開や金剛山での韓国人観光客射殺事件で韓国政府の現地調査団受け入れを促したい意向だ。

李大統領はトルクメニスタン、アルジェリア、カザフスタンとの首脳会談も予定しており、石油やウランなどの資源開発問題を協議する。

フランスのサルコジ大統領は8日午前に北京到着後、胡主席が各国首脳を招く昼食会に出席。次いで胡主席、温家宝首相と個別に会談する。8日夜の五輪開会式に出席後直ちに帰国の途に就く。

フランスと中国は、パリでの五輪聖火リレーの混乱を契機にぎくしゃくした関係が続いており、修復が最大の課題。ただ、国内では「北京訪問で屈辱的な扱いを受ける可能性もある」(フランス国際関係戦略研究所のブリセ研究員)と危惧(きぐ)する声も出ている。中国の人権状況を非難する立場から開会式出席への批判も多く、できるだけ滞在を短時間にとどめたいとの判断もありそうだ。

▽分刻み

福田康夫首相は8日午後北京入りし、開会式前に温首相、胡主席との個別会談に臨む。中国両首脳との会談は中国側の申し入れで、政府筋は「対日重視の表れ」と評価している。

中国側も日米両国との連携確認を最も重視しているとみられる。北京の外交筋によると、中国の人権政策などに不満を持ちながらも同国の重要性を意識して開会式出席を決断した日米両首脳に対し、胡主席は他国に先駆けて会談時間を確保したという。

胡主席と温首相はアフリカや太平洋諸国から来る首脳らとも精力的に会い、中国の国際的影響力を内外に示す構え。相次ぐ会談を分刻みでこなす予定で、多くの日程調整は土壇場まで続く可能性が高い。(共同)

08月07日(木)18:31
zoom mode

08/07・18:21反町ジャパン、米と初戦 サッカー男子もスタート
08/07・18:10日本が米国と初戦 サッカー男子
08/07・18:09五輪選手ら胡氏に公開書簡 チベット問題の解決要求
08/07・18:07鈴木主将らが北京入り 福原は取材殺到で会見中止
08/07・17:51サッカー女子は軽めの調整 沢はウオーキング
08/07・17:37開会式で決死の陳情計画 遺書用意し各国首脳へ

最新ニュース
最新50件
日付一覧

NEWSコーナーTOP
サイトTOP