スーダン難民が米国旗手 苦難の半生、平和の象徴
苦難の半生を乗り越え、平和の象徴として大役を任された。内戦下のスーダンで家族と生き別れ、ケニアの難民キャンプで10年を過ごした過去を持つ陸上男子1500メートルのロペス・ロモング選手(23)が、北京五輪の開会式で米国選手団の旗手を務める。「星条旗は自分を表現するすべてであり、人生で最高の瞬間になる」と胸を高鳴らせている。

生死をさまよった過去は忘れない。6歳で武装組織にさらわれ、食料も水も乏しい環境で強制労働を強いられた。トウモロコシをかじって命をつなぎ、同じ境遇で命を落とす仲間も見た。「必ず生き抜くんだ」。やはり6歳のある日、真夜中に「年上の子に連れられてフェンスの穴をくぐって」命からがら脱出、ケニア国境まで走り続けて保護された。

避難先の難民キャンプで友人と約8キロの道のりを歩き、目にした白黒テレビの映像が人生を変えた。2000年のシドニー五輪。陸上短距離のスター選手、マイケル・ジョンソン(米国)の雄姿に「僕も彼のように走りたい」と心を奪われた。米国への情熱をつづったエッセーが慈善団体の目に留まり、その仲介で7年前にニューヨーク州の家庭に引き取られた。

昨年7月に米国籍を取得。今年7月の全米選手権で3位に入り、初の五輪切符をつかんでアメリカン・ドリームを実現させた。米国は6日、各競技の代表者による推薦で旗手を選んだ。「この幸せは言葉にできない。最高の栄誉だ」。人生を変えてくれた国を代表し、開会式で夢にも見なかった一歩を踏み出す。(北京、共同)

08月08日(金)07:26
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