フルーレで透明マスク導入 フェンシングが変革策
1896年の第1回アテネ大会から五輪で実施されている伝統競技のフェンシングは、北京五輪から男女フルーレで「透明マスク」を義務付けた。国際連盟のローク会長は「見るスポーツとしての発展を目指す変革だ」と意図を説明する。
試合開始直前に照明を落とし、選手をスポットライトで浮かび上がらせる。有効面を剣先で突くと、宇宙飛行士のような選手の頭上に赤や緑のランプが光る。
エペでは透明マスクが割れた事故があり、安全性への配慮でまだ従来の「金網マスク」を使用しているが、同会長は「金網マスクは選手の顔が見えにくく、テレビと観客を意識した透明マスクの義務付けは時代の流れだ」と話した。
改革の始まりは、国際オリンピック委員会(IOC)のサマランチ前会長が「電気コードにつながれた選手が猿回しのようで、顔が見えないのもおかしい」と指摘したことにあるという。一瞬の剣さばきで勝負が決まり、審判員への抗議も多かったため、北京五輪ではビデオ判定を導入。無線LANを使用し、電気コードもなくなっている。
選手側から「透明マスクは視野が狭く、遠近感や通気性の面で劣る」と不満も出たが、同会長は「一つ一つの試みが欧州だけでなく、世界で親しまれる競技への発展につながる」と意義を強調した。(共同)
08月12日(火)17:12
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