勝利確信､思わず笑顔歓喜のｼﾞｬﾝﾌﾟ､ｼﾞｬﾝﾌﾟ

【北京12日共同】とらえたﾗｲﾊﾞﾙの長身が宙に舞う｡畳に落ちるか落ちないか､その時既に勝利を確信し､笑顔が抑えきれなかった｡12日の女子柔道63ｷﾛ級で2連覇を決めた谷本歩実選手(27)｡伸び上がって歓喜のｼﾞｬﾝﾌﾟ､ｼﾞｬﾝﾌﾟ｡ｺｰﾁに駆け寄ると､思わず涙がこぼれた｡

｢すごくうれしい｡ありがとうございました｡ここまで来られたのはわたし一人の力じゃない｣｡ｲﾝﾀﾋﾞｭｰにもにっこりと答えた｡

決勝の相手は好敵手のﾌﾗﾝｽ選手､ﾘｭｼ･ﾄﾞｺｽ選手｡にらみつけるような厳しい表情で戦いが続く｡｢あゆみ｣｢ﾘｭｼ｣｡ｽﾀﾝﾄﾞは真っ二つに割れた｡

1分26秒､谷本選手が足をかけると､次の瞬間､勝負はついた｡見事な内また｡喜びを爆発させる谷本選手の横で､ﾄﾞｺｽ選手は両足を投げ出して虚空を見詰めた｡

笑顔で手を挙げる娘｡観客席で父の英治さん(58)は｢あゆみｰっ｣と何度も何度も叫んだ｡｢最高の言葉でおめでとうと言ってあげたい｡周りの期待に応えることができる娘です｣

隣で母の洋子さん(49)は｢絵に描いたような試合だった｡一本にこだわってきたので､一本で決めることができてすごい｣と目をﾊﾝｶﾁで押さえた｡

08月12日(火)21:33

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