「最強の妹」再び頂上に 姉はスタンドで万歳
【北京17日共同】苦しみ抜いてつかんだ2大会連続の金メダル。勝利の瞬間、伊調馨選手(24)はマットにひざをつき、両手で顔を覆ったまましばらく動けなかった。これまでなかった重圧を受けて臨んだレスリング女子63キロ級決勝戦。48キロ級で「銀」だった姉の千春選手(26)がスタンドで万歳を繰り返す中、「世界最強の妹」は涙でコーチと抱き合った。

世界中の強敵から標的にされながら、アテネで実現できなかった「姉と一緒に金メダル」を目標に歩んだ4年間だった。「千春が『笑顔で行ってこい』と言ってくれた。この金1個が私たちの最高のメダル」。表彰台で、そのメダルに何度も口づけして喜びを表現した。

時折両手で強く顔をたたき「ヤーッ」と叫んで気合を入れながら相手に向かっていった。だが準決勝、決勝は防戦一方の苦しい試合に。疲れがピークを迎える中「千春の存在が最後に力を貸してくれた」という。

スタンドで「カオリ、頑張れ」と声を張り上げていた千春選手。試合終了とともに泣き崩れ「絶対やってくれると信じていた。最高の自慢の妹です」と話した。

08月17日()20:09
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