運営順調、でも違和感 外国メディアが見た五輪
北京五輪は24日、閉幕する。世界から集まった外国メディアの目に「中国の17日間」を尋ねると競技運営は順調だったが、国民やメディアへの統制に違和感が強く残ったとの声が多い。中国が望んだ「普通の国」への仲間入りが果たせたとは言い難い。

「設備は立派で運営は順調。英国には金もないし(五輪運営の障害となる)住民を外へ追い出すこともできないので、この点では絶対超えられない」と、次期ロンドン五輪を開催する英紙ガーディアンのジョナサン・ワッツ記者。

「五輪は中国指導部にとり共産党大会のような政治イベントで、恥ずかしいこと、みっともないものは全部追い出した」

ウエスト・フランス紙のフランシス・シモン記者は「五輪のフェンスで囲まれたエリア外の問題は何も解決していない。美しい競技場はいわば現代の奴隷(出稼ぎ労働者)がつくったもの。それなのに中国人は『誇りに思う』と口をそろえる」と批判。「中国人観客の興奮ぶりは異常だった。メダルを量産して『中国は正しかった』と思っているようだ」と中国人の異質性に困惑する。

インドのデーリー・アジット紙のハルジンダー記者も、ボランティアの笑顔まで訓練されていることに違和感を持った。インドはダラムサラにダライ・ラマ14世の亡命政府があり、チベット問題に関心が強いが「中国は五輪期間中、チベット問題に関する報道を抑え込み、巧妙に隠した」と指摘する。

グルジア紙24アワーズのグリゴル・グラサシュビリ記者は、メダリスト会見でグルジアとロシアの武力衝突に絡む質問を五輪組織委員会の司会者から「スポーツと関係ない」と拒否された。

「許せない。報道の自由が制限されていることがよく分かった。中国は五輪があっても何も変わっていない」

20年前のソウル五輪開催国、韓国の聯合ニュースの千☆赫記者は五輪取材3度目だが「今回のような報道規制は覚えがない」。

一方「五輪で一気に中国の民主化が進むと期待するのは無理。長期的には国際化や自由化が拡大する弾みにはなる」と分析するのは台湾のテレビ局TVBSの楊◇記者。

中国メディアは台湾選手団の名称を「中国台北」と表記していたが、五輪直前に台湾当局の抗議を受けて「中華台北」に変更した。「中国は五輪成功のために国際舞台でいろいろ譲歩した。心配なのは、五輪後、譲歩の必要がなくなり強硬になることだ」と楊◇記者は閉幕後に懸念を示した。(北京、共同)

(注)☆は日ヘンに丙、◇は刊の干が金

08月23日()09:29
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