北京五輪8日開幕 150万人警備で厳戒
【北京8日共同】北京五輪はウイグル独立派のテロなどに備えた厳戒態勢の下で、8日午後8時(日本時間同9時)に開幕する。同日午前、福田康夫首相ら各国首脳が続々と北京入りする中、中国当局は開会式に向け150万人を超す警備要員を配備、天安門広場や競技場周辺で目を光らせた。
2001年の五輪招致成功から約7年。集大成となる五輪本番を前に力ずくで“不満分子"を抑え込み「安全な五輪」を演出する構えだ。
聖火リレーはこの日がフィナーレ。北京原人の遺跡で有名な周口店からスタートし、午後には北京市海淀区に達する。その後、聖火は五輪メーン会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)に車で運ばれ、開会式で最終走者が聖火台に点火する。
日の出の国旗掲揚に合わせ、天安門広場には地方からの旅行者ら数百人が集まった。湖北省から来た呉喬玉さん(24)は「中国人として誇りの日を迎えた。非常に興奮している」と五星紅旗の小旗を振りながら話した。
国家体育場周辺は警備担当者が道行く人に厳しい視線。「I Love China」とプリントされたシャツを着た山西省出身の程国鋒さん(23)は「警備を信頼しているからテロの心配はしていない」とデジタルカメラを片手に話した。
地下鉄駅ではエックス線機器で小さいハンドバッグも徹底的に調べるなど緊迫した雰囲気。繁華街、王府井の五輪グッズ販売店の前では、地方からの観光客らしい一団が開店を待った。
当局は人権活動家ら多数を既に監視下に置いているほか、地方からの陳情者や北京の強制立ち退きに抵抗する人たちが住む地域に私服を含めた多数の警官を配置するなど、監視を強めている。警備は警官11万人、軍隊3万4000人のほかボランティア要員約140万人。
7日のブッシュ米大統領、プーチン・ロシア首相らに続き、8日も福田首相ら多数の首脳が北京入りし、主要道路の規制も強化。胡錦濤国家主席は8日、福田首相、サルコジ・フランス大統領らと会談予定で活発な「五輪外交」を展開する。
8日は早朝からスモッグのような霧が立ち込め、数百メートル先の建物がかすむほどどんよりした天気。北京市当局は大規模な交通規制など五輪に向けて大気汚染対策に力を入れたが、大気汚染との関連を指摘する声が根強い。
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