市民“総動員"で大気浄化 マラソンの環境は「良好」
かすんだ空に渋滞の車列。北京の大気汚染は五輪開幕前、海外メディアの批判の的となった。北京市はメンツを懸け、市民の日常生活にも不便を強いる“総動員態勢"で、徹底した対策を実施。その結果、「大気汚染は予想以上に改善された」と評価する意見が多く、北京五輪組織委員会は女子マラソンが行われる17日も良好な環境が保てると自信を示している。

▽「車友」募集

「私の勤務先は(北京市)朝陽区で、車のナンバーは偶数。一緒に通勤してくれる奇数ナンバーの人いませんか」

330万台の車があふれる北京。インターネット上では6月ごろから、相乗り通勤する「車友」を募るサイトへの書き込みが殺到した。市が環境対策の一環で、7月20日から車のナンバーを偶数と奇数に分けて1日おきに走行を禁じる交通規制を始めたからだ。

だが居住地と勤務地、勤務時間が同じ人を探し出すのは難しく、書き込みをした市民の多くは「相手が見つからない。地下鉄やバスで通勤することにした。不便だけど仕方がない」とこぼす。

市はこのほか、汚染源となる化学工場なども操業を停止。大製鉄所の首都鋼鉄を河北省に移転させるなど、徹底した大気汚染対策に取り組んだ。

▽お墨付き

北京市環境保護局は7月下旬の記者会見で、大気中の汚染物質が前年同期比で約20%減少したと発表。「北京の大気は選手の健康に悪影響を与えない」と強調したが、欧米メディアは納得せず、北京五輪組織委員会の会見のたびに大気汚染に関する質問を浴びせた。

そこで組織委は今月9日、国連環境計画(UNEP)のアヒム・シュタイナー事務局長らを招き記者会見。同事務局長は「発展途上国でこれほど進んだ技術の環境対策を取っている都市はない」と北京市を持ち上げた。15日には国際オリンピック委員会(IOC)のリュンクビスト医事委員長が「ここ数日間の大気の状態は世界保健機関(WHO)の基準に照らしても良好だ」と、環境対策にお墨付きを与えた。

▽経験生かせ

大気汚染を懸念した日本選手団は約500個の防じんマスクを持参したが、着用している選手は見かけない。米国オリンピック委員会(USOC)も選手団約600人のうち、希望した約200人にマスクを支給したが、「使っている選手の話は聞いたことがない」と報道担当責任者のダリル・セーベル氏。

USOCは北京五輪開催が決まった2001年に北京を視察。「7年前と比べ、大気汚染は著しく改善した」と、セーベル氏も北京市の環境対策を高く評価する。

交通規制はパラリンピック閉幕まで。同氏は「中国が今回の経験を生かし、五輪後も何らかの環境対策を続けることを望む」と期待を示した。(北京、共同)

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