｢3冠王｣はﾌﾞﾛｸﾞ世代体操界のﾆｭｰﾋｰﾛｰ

｢いつも怒らせていたｺｰﾁに､今は心から感謝しています｣｡北京五輪で3つ目の金ﾒﾀﾞﾙを獲得した翌日の20日未明､中国の男子体操､鄒凱選手(20)は自身のﾌﾞﾛｸﾞにつづった｡国家が選手を徹底管理する中国だが､若い世代にはﾈｯﾄで自分の言葉を発信する選手も出てきている｡

鄒選手は五輪初出場｡それほど期待されていなかったが､ふたを開けてみると､団体総合､床運動､鉄棒で優勝｡中国各紙は新たなｽﾀｰを｢3冠王｣と呼び｢(ﾛｻﾝｾﾞﾙｽ五輪で金ﾒﾀﾞﾙ3個の)李寧に並ぶ快挙｣｢天才だ｣と絶賛した｡

ﾌﾞﾛｸﾞを開設した昨年6月には｢鉄棒で最近よく失敗する｡国際大会のﾚﾍﾞﾙとはまだ開きがある｣と書き､弱気なところも見せていた｡今月20日までのﾌﾞﾛｸﾞのｱｸｾｽは約46万件だったが､21日は約56万件と､金ﾒﾀﾞﾙ効果で一日に約10万件も伸びた｡

目鼻立ちのすっきりした好青年｡ﾌｧﾝからは｢かわいい｣｢かっこいい｣などと競技とは無関係の書き込みも多い｡

実家は大地震があった四川省｡団体総合で優勝した12日には｢故郷の人たちと金ﾒﾀﾞﾙを分かち合った｣と書き込んだ｡中国ﾒﾃﾞｨｱに｢被災地は今なお余震の恐怖にさらされている｡五輪が終わったら募金して､できる限りのことをしたい｣と表明したのも好感を集めている｡(北京､共同)

08月23日(土)07:21

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