「平和の祭典」理念重視 次期開催のロンドン
国家の威信を懸け政治の影がつきまとった北京から、五輪旗がロンドンに渡った。1908年、48年に続く3度目の開催となるロンドンは、近代五輪をリードしてきた自負を背景に、2012年開催で新たな五輪像を打ち出す構え。五輪本来の理念である「平和の祭典」を重視、欧州が得意とする環境技術を駆使した「エコ五輪」も目指す。音楽や演劇など英国が誇る豊富な文化面のソフトを総動員、弾けるような「お祭り感覚」が最大の持ち味になる。

▽ワクワク感

24日午後のロンドン。未明からの雨が上がり、バッキンガム宮殿周辺には数万人の市民が繰り出した。大型スクリーンに五輪旗引き渡しのシーンが映ると、歓呼の声が響きわたった。

キーワードは「すべての人のための五輪」(ロンドン五輪組織委員会)。北京の閉会式にも登場したサッカーのベッカム選手やレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジさんら大スターを動員するなど「スポーツにとどまらない独創性」(コー同組織委会長)を前面に、“ワクワク感"の演出を狙っている。

英政府によると、北京の開催費用が200億ポンド(約4兆600億円)と試算されるのに対して、ロンドンは93億ポンドと半分以下に抑えるなど、コスト感覚を徹底。さらにリサイクルなどを多用し、環境や食料、エネルギーなど地球規模の問題をテーマにチャリティーイベントも数多く見込まれるなど、21世紀の五輪像を模索する。

▽女王の期待

盛り上がりに欠かせないのが競技への関心度だ。次回ロンドンではサッカーで英国統一チームが実現する可能性が出ている。サッカーが誕生した英国。チームはイングランド、スコットランドなど地域ごとに分かれており、歴史的なドリームチーム結成は英国だけでなく、世界中のファンへのアピール度は抜群だ。

そして鍵を握るのは、やはり開催国の頑張りだ。当初、北京開会式での花火の合成映像に続いて、少女の歌の“口パク"の批判を繰り広げていた英メディア。中盤以降、英国選手が競泳や自転車で快進撃を続けると各紙は「ゴールドラッシュ」の大見出しを掲げ、北京の「あら探し」から、自国選手の活躍ぶりを伝える紙面一色になった。

北京でのメダル総数は、08年のロンドン大会に続く歴代2位に躍進。エリザベス女王が「ロンドン五輪の輝かしい成功」に期待するとの声明を発表し、「次は自分たちの番」との意識が一気に高まってきた。(ロンドン共同)

08月25日(月)07:04

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