02/21 07:24

最初で最後の五輪挑戦は終わった。
20日のスケルトン決勝で8位入賞の越和宏選手(37)。
ソルトレークシティーに駆けつけ、息子に声援を送った両親は「やりたいことを一生懸命やって本望だと思います」とねぎらった。
越選手はレース後、日本で応援した妻や子供に呼び掛けるように「お父さん、金メダル取れなくてすいません」と頭を下げた。
朝から雪が降りしきっていた。
観戦スタンドの向こうにある巨大スクリーンが雪で見えない。
メダルの期待がかかった2本目。
スタートからわずかにトップタイムに遅れる。
父一三さん(69)は一瞬目の前を通り過ぎる息子の晴れ姿をじっと見詰めた。
ばん回できないままゴール。
「金メダルを取るためにやって来た。
いろんな人に支援してもらっただけに悔しい」。
太いまゆ、ぎょろりとした目の越選手は申し訳なさそうに話した。
スケルトンを始めて10年。
途中リストラに遭い、失業保険で生活したこともあった。
その果てにたどりついた世界最高の舞台。
「出場できただけで願いがかなったと思います。
上には上がいるもんです」と一三さん。
母のふく子さん(60)は「困っても金銭的なことで、うちに迷惑掛けることもなかった。
嫁が一番大変だったでしょう。
本当は連れてきてやりたかったんですが…」と長野に残る嫁と孫を気遣った。
木曽高校陸上部の後輩今井昌秀さん(35)は「いい夢をみさせてもっらいました。
資金面などの苦労を乗り越えて入賞までするんだから、よくやりましたよ」とたたえていた。

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