02/24 16:57

スピードスケート・ショートトラックで今五輪の金メダル候補だった金東聖(22)=韓国=は23日、最後の種目の男子500メートルで6位に終わり、今大会はメダルなし。
失意の大会を終え、「早くソウルへ帰りたい」と肩を落とした。
20日の1500メートル決勝で、金東聖は1着でゴールしながら、進路妨害で失格となった。
夢の金メダル獲得から、一転失格へ。
この判定を不服とした韓国選手団がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に抗告申し立てをするなど、大きな騒ぎともなった。
この日の500メートル準決勝。
1組で滑った金東聖は、2番手でラスト1周を迎えた。
上位2選手が決勝へ進出するため、無理をして順位を上げる必要はない。
しかし最後のカーブを回った直後に、悪夢が待っていた。
一瞬のすきを突いて内側から上がったカナダ選手への反応が遅れた。
ゴールで慌てて足を突き出したが間に合わない。
1000分の9秒差で3着となり、長野五輪の1000メートルに続く金メダルの夢は消えた。
全明奎監督は「油断もあったし、カーブでスケートのブレード(刃)が氷に引っ掛かったようだ」と解説した。
20日の1500メートル決勝の後、泣きじゃくる金東聖に、同監督は「最初にフィニッシュラインを越えたのだから、おまえが真のチャンピオンだ」と慰めたという。
必死に気持ちを立て直し、雪辱を期したこの夜のレースは、わずかな気の緩みが命取りになった。
韓国のショートトラックは世界のトップクラスということもあり人気競技で、注目度は高い。
18歳で五輪王者となった金東聖は、その韓国のエースとして、長野後の4年間も常に世界をリードしてきた。
全明奎監督は「長野の時はまだ若く、なぜ金メダルを取れたか分からなかっただろう。
でも今は、負けた理由を知っているはずだ」と、教え子の成長に期待した。

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