02/25 12:44

【ソルトレークシティー(米ユタ州)24日共同】21世紀最初のスポーツの祭典となった第19回冬季オリンピック・ソルトレークシティー大会は24日夜、市東部のライス・エクルズ競技場で閉会式を行い、17日間にわたる熱戦に幕を閉じた。
冬季五輪として史上最多の78カ国・地域から約2500選手が参加した大会は、国際平和の尊さを訴え、テロの恐怖に負けない国際社会の結束を示した。
昨年9月11日の米中枢同時テロを受け、米政府の威信を懸けた「厳戒五輪」となったが、選手たちは競技に集中し、感動的なシーンを世界へ発信した。
閉会式では戦い終えた選手たちが、和やかな雰囲気で入場した。
判定問題で一時はボイコットも辞さない強硬な姿勢だったロシア、韓国の選手も笑顔で参加した。
国際オリンピック委員会(IOC)のトップとして初の五輪だったロゲ会長は「IOCとして非常に満足している」と運営を高く評価した。
しかしドーピング(薬物使用)違反、採点や判定への不満も噴出し、大会に暗い影を落とした。
最終日にはスキー距離男子のヨハン・ミューレック(スペイン)、女子のラリーサ・ラズティナ(ロシア)が金メダルはく奪になり、薬物問題の根深さを世界に突きつけた。
フィギュアスケート・ペアで発覚した審判員の不正採点は、優勝のロシア組に加え、2位のカナダ・ペアにも金メダルを授与する前代未聞の決着。
これに触発されたように、判定への強硬な抗議が続出した。
日本は前回長野五輪と同じメダル計10個を目指したが、計2個に激減。
スピードスケート男子500メートルで清水宏保(NEC)が2位、フリースタイルスキー女子モーグルの里谷多英(フジテレビ)が3位と、前回金メダリストの踏ん張りがわずかに光った。
五輪旗は、ソルトレークシティーのアンダーソン市長から次回2006年開催地、トリノ(イタリア)のキャンパリーノ市長に引き継がれ、大会中燃え続けた聖火が消えた。

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