02/25 16:10

ソルトレークシティー五輪閉幕の24日に、男子のヨハン・ミューレック(スペイン)、女子のラリーサ・ラズティナ、オルガ・ダニロワ(ともにロシア)のメダリスト3人がドーピング(薬物使用)違反で処分されたスキー距離界。
昨年の世界選手権でも開催国のフィンランド選手が大量処分を受けており、国際スキー連盟(FIS)のカスパー会長は「ドーピングを根絶しないことには距離スキーの将来はない」と危機感を抱いている。
FISは、1997年のワールドカップ(W杯)白馬大会で血液検査の導入を始めるなど、対策を進めてきた。
しかしその直後に行われた世界選手権では、92、94年五輪で計6個の金メダルを獲得した女王、リューボフィ・エゴロワ(ロシア)が、興奮剤のブロマンタンに陽性反応を示し資格停止処分を受ける衝撃的な事件があった。
昨年の世界選手権では、長野五輪男子金メダリストのミカ・ミュルレ(フィンランド)ら6人に、持久力を高める禁止薬物の血しょう拡張剤の使用が発覚した。
距離チームの組織的ドーピングだったことが判明し、フィンランドを揺るがす大スキャンダルになった。
夏季大会の96年アトランタ五輪では、ブロマンタンの使用が検出されロシア選手らが失格となったが、当時は禁止薬物リストに載っていなかったために、失格が取り消された例がある。
今回の3選手も、リストにないダーベポエチンを同じように「抜け道」と思ったのだろうか。
カスパー会長は「これは氷山の一角と認識しているし、組織的に行われている可能性がある。
距離スキーのイメージが汚れている」と話すが、有効な解決策を見つけられないでいる。

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