02/25 17:46

フィギュアスケートの歴史に大きな汚点を残したソルトレークシティー五輪が24日、閉幕した。
ペアの審判員による不正採点疑惑。
2位だったカナダ組への金メダル授与は、競技の信用を著しく傷つけ、かねてうわさされた不透明な体質を世界中に露呈した。
国際スケート連盟(ISU)はチンマーマン副会長を中心にした調査部会を設置し、関係者への事情聴取を重ねた。
しかし五輪中に結論を出すことをあきらめ、4月にフランスで開催される世界シンクロナイズド選手権の際に臨時理事会を開いて最終判断することになった。
今後の焦点は、自国の審判員に圧力をかけたとされるフランス連盟のディディエ・ガヤゲ会長を処分できるか、さらにフランスと取引したとされるロシア連盟関係者にも調査の手が及ぶか、になる。
あるISU関係者は「材料は関係者の証言しかない。
どこまで具体的な証拠が集まるか」と悲観的な見方をする。
当初「連盟から圧力があった」と語っていたフランス人審判員も、「圧力はISU幹部からだった」と証言を翻すなど、状況は混迷している。
ISU理事でもあるガヤゲ会長は、今五輪のフランス選手団長を務めた実力者。
ISUが五輪中に処分を急ぐと、スケート界以外にも波紋を広げるとの配慮があったともされる。
しかしチンクアンタISU会長とガヤゲ会長との親密な関係を指摘する声もある。
数年前にフランス連盟が極度の財政難に陥った際、ISUは100万ドル(約1億3000万円)を融資した。
この時に「フランス連盟が破たんすると、フィギュア界全体のレベル低下を招きかねない」と理事会を説得したのが、チンクアンタ会長だったという。
ソルトレークシティーでは「厳格に対処する」と真相究明に強い決意を示したチンクアンタ会長だが、五輪が終わり注目が薄れるとともに、トーンダウンするのではとの懸念もぬぐえない。
(ソルトレークシティー共同)
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