笑顔で何度も両手突き上げ 4回転失敗も観客を魅了

4回転ｼﾞｬﾝﾌﾟは決められなかった｡でも最後のｽﾋﾟﾝを決めた瞬間､両手で何度もｶﾞｯﾂﾎﾟｰｽﾞ｡満面の笑みでｺｰﾁと抱き合った｡ﾌｨｷﾞｭｱｽｹｰﾄ男子の高橋大輔選手(23)が日本男子史上初めてのﾒﾀﾞﾙを獲得｡日本男子史上初めて表彰台に上がった｡8位に終わったﾄﾘﾉ五輪から4年､苦難を乗り越え､銅ﾒﾀﾞﾙをつかんだ｡

高橋選手は｢1年けがで棒に振って､ここに戻れたことが本当にうれしい｡日本男子初のﾒﾀﾞﾙを誇りに思う｣と感激をあらわにしていた｡

2人前に登場した織田信成選手(22)が､靴のひもが切れるｱｸｼﾃﾞﾝﾄに見舞われ､まだ観客のざわめきも残るﾊﾟｼﾌｨｯｸｺﾛｼｱﾑ｡上位6人が滑る最終ｸﾞﾙｰﾌﾟの4番目に登場した｡

曲はﾌｪﾃﾞﾘｺ･ﾌｪﾘｰﾆ監督の代表作｢道｣の映画音楽｡ﾊﾟﾝﾄﾏｲﾑをまじえ､主人公の大道芸人の喜怒哀楽を表現していく｡冒頭の4回転ｼﾞｬﾝﾌﾟは失敗したが､続く連続ｼﾞｬﾝﾌﾟは成功｡次第に盛り上がる曲に合わせ優雅なｽﾃｯﾌﾟを刻み､両手を天に掲げ観客にｱﾋﾟｰﾙ｡華麗なｽﾃｯﾌﾟで観客の拍手を誘った｡演技を終了すると､満足そうな表情｡ｽﾀﾝﾄﾞに向かって｢ありがとうございました｣と何度も頭を下げていた｡

長年苦難を共にしてきた長光歌子ｺｰﾁ(58)と抱き合い､得点表示を待つ｡2人を残して合計2位｡笑顔で歓声に応えた｡

表彰式で｢ﾀﾞｲｽｹ･ﾀｶﾊｼ｣とｺｰﾙされ､銅ﾒﾀﾞﾙを首にかけられた高橋選手｡こみ上げる思いをこらえきれず､涙を流した｡

SP8位の小塚崇彦選手(20)｡佐藤信夫ｺｰﾁに背中を押されﾘﾝｸの中央へ｡冒頭の4回転ｼﾞｬﾝﾌﾟを決めた｡ｽﾋﾟﾝを終え座り込んで決めのﾎﾟｰｽﾞを取ると､ﾎﾟﾝﾎﾟﾝと手をたたいた｡ﾀｵﾙで汗をぬぐいながら歓声に手を振って応えた｡｢最後までしっかり滑れた｡納得できた｣と満足げだった｡

02月19日(金)14:37

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