ベルギー(中)

ベルギーの強みは組織力に集約される。
だが、裏を返せば局面を打開できる飛び抜けた能力を備えた選手がいない表れでもある。
23歳のFWソンクもこれを認める。
「ベルギーにはフランスやアルゼンチン、ブラジルのように違った流れをつくり出せる選手がいない。
ノルウェー戦を見れば分かるだろう。
われわれは新たなアクションを起こせなかった」2月13日、今年初戦となるノルウェーとの親善試合はグラウンド状態の悪い中で、互いの持ち味を消し合う展開に終始した。
ベルギーにいい形で攻撃へ向かう場面は少なく、ソンクにも得点機はなかった。
とはいえ、このソンクとドイツのシャルケでプレーするE・ムペンザの2人は得点能力の高い期待のFWだ。
ソンクはベルギー1部リーグのゲンクに所属。
今季、23試合で24得点とハイペースでゴールを量産、昨年はベルギーの最優秀選手に選ばれた。
「子供のころはマラドーナがアイドルだった」と話すソンクは、裏へ抜け出すスピードと、身長174センチながらヘディングの強さが持ち味だ。
E・ムペンザは1998年W杯フランス大会、19歳の若さで代表入りした。
爆発的なスピードが武器も、足の故障が多い。
特に今季は太ももを手術。
また、プロ意識を欠く行動があったとして自宅謹慎処分を受けるなど、多難な時期を過ごした。
ノルウェー戦代表にも選ばれていたが、直前のけがで外れた。
「昔から足は速かった。
シャルケでの特別なメニューのおかげで、いまでも毎年能力は上がっていると思う」とムペンザ。
ワセージュ監督も「チームに欠かせない選手のひとりだ。
負傷は問題だが、W杯までには戻ってくる」と期待する。
2人の23歳FWが攻撃のカギとなる。

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