ブラジルのロナウド
王国復活へ向け、ブラジルに最強の切り札が帰ってきた。
その名はロナウド。
国際サッカー連盟(FIFA)が選ぶ世界最優秀選手に2度選ばれ、8年前のW杯米国大会では17歳でメンバーに入るなど、ブラジルが世界に誇る「至宝」だ。
この4年間は雌伏の期間だった。
1998年フランスW杯決勝直前に突然体調を崩したことに始まり、2度にわたる右ひざ靱帯(じんたい)の負傷など、度重なるアクシデントとの戦いを強いられた。
しかし今季、ロナウドは力強く戦いの最前線に戻ってきた。
3月27日の親善試合、ユーゴスラビア戦で約2年半ぶりに代表復帰を果たすと、スピードに乗った高速ドリブルで相手守備陣を切り裂いた。
試合後「世界最高の選手に返り咲くことが目標だったが、それを実現できると確信した。
もうひざの心配もないし、体調も最高の状態に近づいている」と復活をアピールした。
南米予選でのブラジル代表は、ロナウドの欠場もあり得点力不足を露呈した。
3位で何とか出場権は確保したが、王国の威信も揺らぎかかっている。
しかし、この男が戻ってきたからには、もう心配は無用。
中盤のリバウド、右サイドのカフーら、そうそうたるメンバーのおぜん立てから、豪快にゴールネットを揺らすシーンが数多く見られることは確実だ。
厳しい時期を耐え、たくましさを増したエースが、「カナリア軍団」を再び世界の頂点へとけん引する。
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