ベルギーのE・ムペンザ
ベルギー代表FWエミール・ムペンザの爆発的なスピードには、日本も相当に手を焼くだろう。
ただし、完調で本大会に臨むことができれば、の条件が付く。
今季痛めた右太ももが回復したと思ったら、もう一方の左太ももを負傷した。
守備陣を混乱に陥れる速さは、故障と表裏一体の危うさをはらむ。
「全く影響がないとはいえないが、ワールドカップ(W杯)へ向け準備を続けていくだけ」。
故障明けの2月下旬、ムペンザは穏やかな口調でW杯について話した。
ピッチの上で見せる奔放なプレーとはかけ離れた23歳の素顔があった。
コンゴ(旧ザイール)に生まれベルギーに育った。
前回フランス大会では19歳で代表入り。
3試合とも途中から、計69分間の出場でも、若者は本大会の雰囲気に衝撃を受けた。
「ほとんどがベンチに座っているだけだったが、僕は代表入りした人しか味わえない多くのことを学んだ」ウィルモッツらベルギー代表の4人とともにドイツ1部リーグのシャルケに所属する。
プロ意識の欠如を指摘され一時出場機会を失った今季、移籍もうわさされたが、予想を裏切る形で契約を延長した。
ホテル住まいで休みの度にリエージュの実家に帰る、落ち着きのない生活もやめた。
「ドイツで経験を積み、ワセージュ監督の期待にこたえたいと思っている」。
結束力が武器のベルギーで、数少ない「個の能力」でゴールに迫る逸材。
6月4日、日本の脅威として姿を見せるのか。
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