ナイジェリアのカヌ

197センチの長身で、どっしりと前線に構える。
ボールを受ければ、深いふところで、相手のチェックを許さない。
ナイジェリア代表のエース、25歳のカヌは、母国のみならず、アフリカを代表するスーパースターだ。
1993年、日本で開かれたU-17(17歳以下)世界選手権で優勝。
オランダのアヤックスに引き抜かれ、96年のアトランタ五輪ではアフリカ勢として初の金メダルに貢献して国際舞台に本格デビューした。
その後の心臓病との闘いも有名だ。
現在は病気を克服し、イングランド・プレミアリーグのアーセナルでレギュラーの定位置を確保するまでになった。
カヌが次に狙うのは、アフリカ勢初のワールドカップ(W杯)優勝。
代表チームはアフリカ選手権後に監督が交代して間もない状態のうえ、1次リーグは「死のグループ」F組でアルゼンチンなどと戦う。
カヌは「準備不足は明らか。
協会や代表に、いつ何が起こるかも、だれも予想できない」と、財政面をはじめとした問題続きの協会にはうんざりしているが、一方では「大会前には親善試合も幾つかする。
ベストを尽くすだけだが、98年フランス大会(ベスト16)よりはいい結果を残せるだろう」と、自信を見せる。
大柄な体を生かしつつ、しなやかに動くプレーに円熟味が加わってきた。
21世紀は「アフリカの世紀」と多くの関係者が予想する。
その可能性の象徴が、アフリカ最優秀選手に2度輝いたカヌだ。

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