ポルトガルのルイコスタ

背筋を伸ばし、しなやかに相手をかわして突き進むドリブル。
ピッチを上から見ているかのように、敵の間を抜け得点チャンスを生み出すスルーパス。
ポルトガルの攻撃を指揮するルイコスタ(30)のプレーには、観客が思わず見とれてしまう「華」がある。
ポルトガルはタレントの宝庫だ。
特に攻撃陣は2001年の世界最優秀選手に選ばれたMFフィーゴをはじめ、コンセイサン、ヌノゴメスら、他国の監督がうらやむ豪華な顔ぶれ。
このそうそうたる攻撃陣に信頼されているのは、世界一守備が厳しいといわれるイタリアの1部リーグ(ACミラン)で、司令塔として不動の地位を築いた実績があればこそだ。
しかも、ルイコスタを中心に繰り出される攻撃は、中盤での流れるようなパスワークからチャンスをうかがう独特のもの。
組織的に素早くゴールへ向かうプレーが主流の現在、そのスタイルは異彩を放つ。
「確かにいい選手は多いが、特定の選手に頼ったチームではないし、それがポルトガル代表の特徴でもある」とルイコスタもチームメートの力を信頼している。
ポルトガルは常に高い評価を受けながら、これまで主要大会のタイトルには縁がない。
1989、91年の世界ユースを連覇した彼ら「黄金の世代」にとっても今回は勝負の大会。
「僕らには世界レベルの大会のタイトルが欠けている。
僕も含めた何人かにとって、今大会が最後のチャンスになるはずだ」と、ワールドカップ(W杯)初制覇に闘志を燃やしている。

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