スウェーデンのラーション

アルゼンチン、イングランドなど強豪ぞろいで「死のグループ」と言われる1次リーグF組。
スウェーデンがここを突破するにはエースFWラーションの爆発が必要になるだろう。
たぐいまれな得点感覚と勝負強さを持つ30歳。
その真価は欧州予選で遺憾なく発揮された。
2001年9月5日。
イスタンブールで行われた予選4組の天王山、トルコ戦は終了間際までトルコが1点をリード。
だが、勝利を確信して大騒ぎするホームの大観衆は後半42分に静まり返った。
ラーションが同点ゴールを決めた瞬間だ。
スウェーデンはさらに、ロスタイムに逆転し、2大会ぶりの本大会出場を決めた。
ラーションは予選10試合で通算8ゴール。
良く組織された堅い守備をベースとするチームとって、巧みなボールタッチと相手守備の穴をつくきゅう覚を持つエースは欠くことのできない存在だ。
昨季は所属するスコットランド・プレミアリーグのセルティックでリーグ戦35得点。
チームを3シーズンぶりの優勝に導き、自身もクラブチームの欧州得点王に与えられる「ゴールデンブーツ」を獲得した。
1994年アメリカ大会では、髪を細く束ね縮らせた長髪をなびかせて中盤を疾駆。
3位決定戦で1ゴールしたが、得点力よりも派手な風ぼうと生きのいい動きの方が印象に残った。
しかし、8年を経て若者は欧州を代表するストライカーに成長。
丸刈りで臨む今大会は破壊的な攻撃力を見せつけるはずだ。

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