セネガルのFWディウフ
“悪童"のイメージが強かった21歳の若者が、たくましいチームの大黒柱に変ぼうをとげた。
セネガルのエースFWエルハジ・ディウフのことだ。
ワールドカップ(W杯)アフリカ最終予選で、チームトップの8得点。
チーム得点14の半分以上を挙げる活躍で、アフリカ年間最優秀選手にも選ばれた。
瞬発的なスピードやトリッキーな足さばきは、単なる点取り屋ではなくスターとしての魅力にあふれている。
フランス1部リーグのランスに所属するディウフはかつて、無免許運転で事故を起こしても「運転に事故はつきもの。
なぜそんなに騒ぐんだ」とうそぶく問題児だった。
しかし、いまは違う。
「手を使っても勝てばいいんだ」と口の悪さは相変わらずだが、マスコミ対応はていねいで、サポーターへも気遣いを見せる。
代表でもブルーノ・メツ監督を「父、もしくは兄のようだ」と慕い、自己中心的なプレーは影を潜めた。
セネガルはW杯初出場。
ディウフは「夢の舞台に立とうとしている。
僕らがどれだけ興奮しているか、分からないだろう」と、待ち切れない思いを口にする。
持ち前の速さと技術を世界に知らしめることで、W杯後のビッグクラブ移籍を狙うディウフ。
「セネガルはA組の台風の目になる。
フランスやウルグアイ、デンマークの方が評価が高いけど、かえって力が出せる」と、一波乱をもくろんでいる。
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