ウルグアイのレコバ

ウルグアイのエース、レコバ(26)はワールドカップ(W杯)を前に充実のときを迎えている。
抜群のボディーバランスで突き進むドリブル、意表を突く絶妙のパス、鮮やかな曲線を描いてゴールを捕らえるFK。
レコバの左足から放たれたボールは代表でも、所属するイタリア1部リーグ(セリエA)のインテル・ミラノでも試合を動かす。
「2001年は不名誉なものだった。
ずいぶん苦しんだ」。
レコバは昨年、パスポートの不正取得疑惑でイタリア協会から1年間の出場停止処分を受けた。
処分は後に4カ月に短縮されたものの、苦しい日々を過ごした。
W杯優勝2度を誇る祖国の、3大会ぶりの出場を目指す戦いにすべてをぶつけた。
FWとも攻撃的MFとも言える位置で、チームを引っ張り、オーストラリアとのプレーオフを制して出場32カ国中最後の1枚の切符をつかんだ。
ウルグアイでの活躍が認められ、1997年から所属するインテルは、ロナウド(ブラジル)ら世界のスター選手がずらりと顔をそろえる。
出場停止中にポジションを失ったが、復帰後は不慣れな左サイドでも結果を残し、欠かせない存在になった。
13季ぶりの悲願のリーグ優勝も視野に入る。
「5年間、クラブの会長は私に多くのものを与えてくれた。
大切なものでお返しがしたい」。
リーグ戦での活躍を弾みに、初めてのW杯に臨む。
苦悩の年を過ぎ、歓喜の年に。
330万人の小さな国のエースは、そう心に決めている。

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