ドイツのカーン

ゲルマン魂でゴール死守
旧西ドイツ時代を含めワールドカップ(W杯)、欧州選手権でそれぞれ3度の優勝を誇るドイツ。
だが、今回のW杯予選ではプレーオフに回るなど、最近は本来の姿が見られない。
スターと言える選手は、GKオリバー・カーン(32)だけといっていい。
代表チームの奮起を待つ国民の期待を一身に担う。
所属するバイエルン・ミュンヘンで才能を開花させ、昨年の欧州チャンピオンズリーグ制覇へと導いた。
バレンシア(スペイン)との決勝では、PK戦で3本のシュートを止めた。
同クラブの会長で、サッカー界の「皇帝」といわれるフランツ・ベッケンバウアー氏(ドイツ)に「世界最高のGKだ」と言わせた。
W杯史上、ドイツは奇跡といえるような逆転、窮地からのばん回を果たしてきた。
それを可能にするのが「ゲルマン魂」といわれる精神力。
その強さの体現者でもある。
全試合フル出場したW杯予選では、苦境で必ずチームの支えになってきた。
相手FWと激しく当たり闘争心をむき出しにする。
相手GKにまで届くほどの大声でチームを鼓舞した。
ドイツ代表のフェラー監督は「わたしはカーンとともにチームを動かしてきたようなものだ」と、そのリーダーシップを高く評価する。
苦しんだW杯予選を経てカーンは「苦しみはじっくり味わった方がいい。
それが本物の力に変わる」と、強豪復活を予言。
このほど代表チーム主将に正式決定し、「本物の力」を発揮する時を待つ。

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